今回は『神トーーク』(https://amzn.to/2UYejrt)を紹介したいと思います。
著者は、以前に当ブログ(KENCHANBLOG)で紹介した『神メンタル』と同じく星渉(ほしわたる)さんです。
ビジネスコンサルティングで活躍されており、「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」を目的とした活動をされている方です。
『神トーーク』の要約
どうすればあなたの周りに人が集まって、味方してくれるのかを教えてくれる本です。
その方法について、著者の経験や心理学・脳科学の情報に基づいて書かれています。
さっそく要約に入っていきたいと思います。
科学的に「人の心を動かす」絶対条件
人の心を動かすための大原則は、テクニックではありません。自分自身の日常の姿が基本であることを認識しましょう。
話を聞くに値する振る舞いをしているから、人に話を聞いてもらえるのです。
あなたがどんなに正論を言っても、あなたの信頼や人望、影響力がなければ、相手には聞いてもらえません。
多くの人が満たしたいと思っている感情を満たすことができれば、人が集まってきます。
自分の欲求を満たしてくれる人の話なら聞いてくれるようになるので、自然と人望や影響力を得ることができるのです。
伝え方で満たすことのできる相手の欲求は3つあります。
- 心の安全を求める「安心欲求」
- 安心できる人とつながりたい「所属と愛(つながり)」の欲求
- 認められたい「承認欲求」
このうち「安心欲求」と「所属と愛の欲求」は「安心感」とまとめることができます。
人の心を動かすには、相手に「安心感」を与えて、「自己重要感」を満たすことがで大切です。
あらゆる「人間関係の悩みが消える」伝え方
人からの人望や信頼を得ることができ、異性からもモテたりする人は、自然と人に安心感を与えています。
人に安心感を与える方法は、相手の話を否定せずに最後まで聞くことです。
何か伝えることで否定されることを人は怖れます。
ですから、相談やアドバイスを求められても否定しないことが重要です。
否定しないと安全が満たされる場所と認識され、あなたのもとに人や情報が集まるようになります。
相手の話の終わりに「他にもっと話しておきたいことはありまえんか?」と付け加えるとさらに効果的です。話を聞く気持ちがありますという姿勢がさらに伝わります。
否定しないということは相手の意見にすべて賛成することか?と思われるかもしれません。
そうではなく、否定せずに同調すれば良いのです。具体的に言うと「あなたが思っていることを理解しました」と伝えればOK。
賛成か反対かは置いといて、否定せずに相手の話を聞くことができます。これなら相手からは安心感を損なわれたとは思われません。
笑顔も相手に安心感を与え、警戒心を解くために効果的な方法です。
あいさつのときに笑顔を見せると、相手に好意を示すことができます。
好意を言葉で伝えることも大切です。
自分から好意を伝えることで、相手もあなたに好意と安心感を抱くようになります。
相手に好意を直接伝えるのは難しいです。
そんな時は、相手や自分の所属するグループのことを好きだと伝えたり、相手の行動や持ち物に対して好意を伝えたりすることで代用できます。
人間の脳は「主語を理解できない」性質があり、自分が所属する集団や行動を好きだと言われると、自分に好意があるように勘違いをするようです。
自然と味方が生まれ「誰からも好かれる」伝え方
「自己重要感」とは人間がコミュニケーションにおいて常に満たしたいと感じている欲求の1つです。
「自己重要感」とは、「自分は価値ある存在である」と実感したい欲求のことです。
相手の自己重要感を満たせると、信頼や人望を得ることができ、それが人の心を動かすことにつながります。
相手の自己重要感を満たすうえで、相手を名前で呼ぶことが大切です。
名前を呼ばれることで、相手は自分を個人として見てもらえていると感じます。
簡単なことですが、意外と多くの人はそれができていません。
なので、省略せず相手を名前で呼ぶだけで大きな信頼を得ることができます。
人にアドバイスするときの「とっておきのパターン」として「褒める」→「アドバイス」→「褒める」という方法が紹介されています。
アドバイスは相手を修正したり、訂正させたり行動なので、相手は自分が否定されたと感じることも多いです。
しかし、アドバイスをする前後で相手を褒めると相手の自己重要感は損なわれません。
自己重要感を傷つけるのは、相手のミスを人前、特に大勢の前で指摘することです。
悪いことだと思っても人前で相手のミスを口にしてしまうことがあります。
なぜそんなことをするかというと、ミスを指摘した自分の自己重要感が満たされるからです。
相手からの信頼を得たいのなら、相手の自己重要感が損なわれないことを第一に考え、人前でミスを指摘するのはやめましょう。
人間は、人から言われたことより自分の考えを優先して行動します。
なので、アドバイスを求められても、こうした方が良いとずばり言うのではなく、相手に考えてもらうように会話を持って行くことが大切です。
たとえ相手が、あなたが望まない答えを出したとしても、正しい答えを出すまで適切な質問を繰り返す必要があります。
力のいることですが、そのほうが相手が気持ちよく動いてくれるようになります。
相手に気持ちよく話をしてもらうための方法の一つに「チャンクサイズ・コントロール」 があります。
「チャンクサイズ・コントロール」とは会話のかたまりをコントロールする方法です。
話をより深く聞いていく方法をチャンク・ダウン、逆に大きく、広くしていくことをチャンク・アップと呼びます。
例えば相手が「サッカー観戦が趣味です」と言ったとします。このとき「どのチームが好きですか?」と聞くのがチャンク・ダウン。
「他に趣味はありますか?」と聞くのがチャンク・アップです。
適切に「チャンクサイズ・コントロール」を使うと相手から会話を引き出すことができ、聞き上手だと思われるようになれます。
「ポジティブ・ゴシッキング」をすると相手から親密に思われることが分かっているそうです。
相手のいないところでその人を褒める話題を出すことを「ポジティブ・ゴシッキング」と言います。
相手はポジティブ・ゴシッキングされていたのを知ったとき、自分のしたことが本当に良かったんだと実感します。
そして相手はあなたに感謝して、信頼を得ることができるのです。
よくポジティブ・ゴシッキングをする人は、「あの人に良いことをすれば他の場所でも広めてくれるんだ」と思われます。
すると、人や情報がさらに集まってきます。こういった点もポジティブ・ゴシッキングのメリットです。
相手が「自分の思い通りに動いてくれる」新世界へ
「否定をしない」+「気づかせる」+「答えを言わない」+「正さない」
この4つのルールをセットで日頃から実践できるようになれば、信頼を得るというレベルではなく、あなたの周りに自然と多くの人が集まり、あなたの味方となり、あなたのために何か協力できることはないかと向こうからお願いしてくるような状態になります。
人は自分で決めたいと思う「決定権」があると、やる気が高まります。
だから相手に直接答えを教えない、自分で気付いてもらうのが重要なのです。
人の行動は大きく分けて2つあります。
快を得る行動と、痛みを避ける行動です。
「快を得る行動」は「安心感」と「自己重要感」を満たすために行われます。
一方「痛みを避ける行動」は「安心感」や「自己重要感」が損なわれるのを避けるために行われます。
痛みを避けたいという感情は瞬間的な力です。ずっと続けると心身ともに疲れるので長続きしません。
行動を始められたら、継続性に優れる快を得るための行動に切り替えるのが大切です。
本書では例として、夫にタバコを止めてもらいたい妻のお話が紹介されています。
タバコを止めてもらうに、まず妻はタバコの体への害や子供への影響を話します。
そして、夫はそれらを避けるためにタバコを止めることを決心します。
タバコを止めることができたら、禁煙が続くように妻は褒めるのを繰り返します。
夫はまた褒められたいから禁煙を続けることができるのです。
ここでいう「痛み」とはタバコの害や子供への影響、「快」とは褒められることです。
このように「痛み」と「快」を使い分けることで、行動を起こさせ、それを継続させることができます。
相手の人生さえも変える「究極の神トーーク」
相手の人生を変えることができる人は、相手の気持ちが落ちこんで動けなくなっているときほどそれを察知して、相手に目指している場所を再確認させることができます。
相手を人生のゴールからそれないようにするには、「今どこを目指しているんでしたっけ?」と簡単に問いかけるだけです。
それだけで、目的地を見失って動けなくなっている人を助けることができます。
目的地を見失わないために、相手のやる理由をはっきりさせてあげることも大切です。
その際も○○したら良いというアドバイスは必要なく、「なぜそれがやりたいの?」と声をかけてあげるだけで相手のやる理由がはっきりします。
相手を動かすためにもっとも必要なことは、相手のゴールのイメージを先に描くこと、「私はあなたの味方です」と伝えることの2点です。
自分との会話で相手にどうなってほしいのかを先に描いておくことで、どんな会話のスキルを使えば良いかはっきりします。
「私はあなたの味方だから安心してください」とはっきり言葉で伝えることが大切です。
言葉で伝えることで、相手に安心感と幸福感を与えることができます。あなたと私は味方ですと相互に伝えられる関係を作ることが、周りの人たちと幸せに生きるために大切なことです。
『神トーーク』の感想
本書で書かれている方法は、言われてみれば大切だと分かるけれど、実践できていないなと思うことが多くありました。
例えば、「ミスを指摘するのは、他の人のいないところで」という部分です。
僕も相手が間違っていることを人前で指摘してしまうことがあります。
人前でミスを指摘するのは、指摘される方の自己重要感は傷つき、指摘する方の自己重要感は満たされます。
「ミスを指摘できる自分はすごいと思いたいから人のミスを指摘してるんだよ」と言われているようで恥ずかしくなりました。
みなさんも気を付けてみて下さい。
「チャンクサイズ・コントロール」や「ポジティブ・ゴシッキング」など知らない用語についても知ることができました。
話のかたまりを操る「チャンクサイズ・コントロール」、人の良い噂話をするという「ポジティブ・ゴシッキング」を上手く使っていきたいと思います。
最後の章では、相手を動かすためにもっとも必要なのは、相手のゴールのイメージを先に描くこと、「私はあなたの味方です」と伝えることが重要であると語られています。
人は自分一人では幸せにはなれません。周りの人も巻き込んで一緒に幸せになるから、自分も幸せを感じられます。
そのためには自分のことだけ考えていたのではいけません。
相手がどうなったら喜ぶか、どんな関係を作れたら相手と自分にとって最高かを考えることが大切だと考えます。
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星渉さんの他の著書
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