「締め切り通りに仕事が終わらない」
「いつも締め切りに追われている」
そんな悩みを解決する手助けをしてくれる本を紹介します。
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(https://amzn.to/3aoIwFR)です。
著者は中島聡さん。マイクロソフトでWindows 95の基本設計を担当し、「右クリック」や「ダブルクリック」を現在の形にされたそうです。
本書ではそんな素晴らしい功績を立てられた中島さんの仕事術を知ることができます。
所々マイクロソフトでのビルゲイツのエピソードが交えられているのもおもしろかったです。
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』の要約
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』を読んで、僕が大切だと思った部分について要約して紹介します。
仕事が終わらない理由
「なるはや」は、ただの悪習慣です。ちゃんと期限を区切らなければなりません。
時間が限られているから、どうすれば仕事を効率よくこなせるのかを工夫します。そのほうが生産性が上がるのです。
大切なのは余裕をもって仕事をすること。期限に追い詰められるほど効率が悪くなっていきます。
仕事が終わらない理由
- 安請け合いしてしまう
- ギリギリまでやらない
- 計画の見積もりをしない
時間の使い方をマスターすると自分の能力を超えて成果を出すことができる。
仕事が期限までに終わるかどうか見極められるようになることが重要です。
仕事が終わらない場合はできるだけ早く上司に相談できるので、混乱を避けることができます。
はじめから完璧な仕事を目指すのを止めるべき
まず細かい点は置いといて、全体を仕上げてしまいます。これを本書ではプロトタイプを作ることだと述べられています。
最初から細かいことにこだわっても、どうでやり直しになります。プロトタイプを先に作ってしまう方が結果的に無駄な作業を省くことができます。
締め切りの前に締め切りがあると考えなければなりません。
本書では待ち合わせを例に説明されています。10時に待ち合わせと言われたら、ほとんどの人が10時前に到着する電車に乗ることを考えます。
待ち合わせくらいならそれでも良いかもしれません。しかし、仕事に置き換えて考えると、10時前に到着する電車に乗れば任務完了ではないのです。
10時までに待ち合わせの場所にいることが任務です。自分に与えられた任務は何なのかを改めて認識する必要があります。
ビル・ゲイツのエピソード
本書ではビル・ゲイツのエピソードがいくつも紹介されています。
ビル・ゲイツは「その問題とこの問題は独立している」とよく言っていたそうです。
難しく、複雑に見える問題でも、分割して考えれば簡単に解決することも多くあります。
ビル・ゲイツが時間を大切にしているというエピソードも紹介されています。
ビル・ゲイツが社員から説明を聞くときに、直接は聞かないそうです。社員の説明を聞き、ビル・ゲイツにその内容を説明する専門の社員を雇っていました。
スタッフ間の説明の上手さには、ばらつきがあるからです。下手な説明を聞くと時間が多く消費されます。
説明専門のスタッフを雇うことで、その時間を節約できるというメリットがあります。
「ラストスパート志向」は間違い
仕事における「ラストスパート志向」は大きな間違いです。仕事の見積もりが終盤にならないとできないからです。
見積もりが甘いと締め切り通りに仕事が終わらなくなり、他のメンバーに迷惑をかけるという結果を招きます。
仕事を見積もるためには、指定された期間の始め2割の期間、仕事に全力で取り組むこととされています。例えば10日間で仕上げるように任された仕事なら2日間。
2割の期間で8割仕上げることができたなら、締め切りに間に合う仕事だと判断します。もしできなければ上司に締め切りを伸ばしてもらう必要があります。
2日で8割仕上げられたからといって早く仕事を完成させるわけではありません。残りの8日で余裕をもって完成させることが大切です。
余裕があれば次の仕事の準備もできますし、仕事の完成度をしっかりと高めていくこともできます。
早く仕上げてしまうと、すぐ次の仕事を与えられ、精神的にも、肉体的にも疲弊していくだけです。
ロケットスタート時間術とは?
ロケットスタート時間術の紹介が本書のメインです。
これは筆者の中島さんが長年の経験から生み出した仕事のやり方です。
先ほど紹介したように、仕事の始めの2割の期間で全力を出します。本書では、全力をドラゴンボールの20倍界王拳と例えられています。
この期間は絶対にマルチタスクをしてはいけません。起きてから寝るまで一つの仕事に集中します。
人の集中力には限界があるので、限界が来たときにごはんを食べたり、昼寝をしたりします。
昼寝の重要性についても触れられています。
眠気をこらえて仕事をするよりも、昼寝をした方が効率が高くなります。
昼寝をするなら真剣に寝ることが大切です。中島さんは家で仕事する場合、パジャマに着替え、ベッドに入って、アイマスクをして昼寝をするそうです。
昼寝の時間も18分と決まっており、時間を調節しながら最適な時間を見つけたと本書で語られています。
長期の仕事の場合は、2割の期間であっても長いので20倍界王拳が続きません。そんなときは仕事を縦に切ります。
まず3つの期間で仕事を分けます。分けた期間ごとに始めの2割は全力、8割はゆとりをもって取り組んでいくのです。
3つに分けても長ければ、3つをそれぞれ分割していき、10~14日くらいまで細かくしていきます。
複数の仕事が同時進行している場合は、1日を横に切ります。
A・B・C3つの仕事があるとして、朝にA、昼にB、夜にCの仕事をします。
このときもマルチタスクはNGです。Aの仕事のときに、BやCの仕事のことを考えてはいけません。
ロケットスタート時間術で気をつけること
ロケットスタート時間術を取り入れる際に、つまずきやすいポイントは3つあります。
- 集中力が足りない
- 仕事が自分のキャパシティを超えている
- ほかの人の仕事が遅れている
集中力が足りない
集中力を高めるのに大切なことは、朝型の生活に切り替えることです。
中島さんは4時起きで、家族が起きてくる6時半までの仕事時間を大切にされています。
朝の時間が大切な理由
- 外部要因の締め切りが設定できる:筆者の場合6時半までとタイムリミットがある
- メールをチェックする必要がない
- 話しかけてくる人がいない
このように朝は集中できる環境を作りやすいということが分かります。
仕事が自分のキャパシティを超えている
与えられた仕事を無理してでもこなしていくことは、上司から感謝されるし、自身もやりがいを感じます。
しかし、そんなやり方をいつまでも続けることはできません。
無理のない範囲での仕事を引き受けることも大切なのです。
ほかの人の仕事が遅れている
まず「他人の仕事は遅れるもの」だと理解することが大切です。
人の仕事が終わらない場合は自分でモックアップ(完成間近の模型)を作ります。そして、それに合わせて自分にできる仕事を進めておきます。
良いアイデアを出す方法
- 今ある商品やサービスの悪い点を見つける
- 新しい商品やサービスと既存のものを組み合わせる
本当にやりたい仕事を見つけろ
本書では集中力のなさに悩むこと自体が間違いだと語られています。
自分が本当にやりたいことなら、いかなるときも集中できるはずですし、残業したって楽しいはずです。
大切なのは後悔しない仕事を選ぶこと。今の会社でできそうなら上司に頼む前に自分でやってみるのも良いです。
自分のやりたいことが分からないと言う人もいると思います。本書ではそんなとき、人に話を聞きに行くことがすすめられています。
少し異なる情報源に触れることのできる人・常にアンテナを広く張り巡らせている人の話を聞けば、自分の本当にやりたいことが見つかるはずです。
幸せな人生を送るには、「好きなことに向き合い続けること以外に方法はない」
自分が幸せになれる行動をしないと、人は幸せにはなれません。
自分の好きなことを見つけ、やり続けること。それが自分の人生を幸せにする方法です。
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』の感想
自分の本当にやりたい仕事を見つけることが大切なのは理解できます。
とはいえ、会社に所属していれば少なからず自分の望まない仕事もあるのが普通です。
本書で紹介されているロケットスタート時間術は、自分がやりたくない仕事に使う時間を節約するという役割も果たします。
仕事は始めに全力で頑張って、後は流しの時間にする。そうすれば、仕事に限らず自分のやりたいことに集中できる時間が増えるのだと考えられます。
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(https://amzn.to/3aoIwFR)
中島聡さんの他の著書
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