株式会社ユーグレナ執行役員研究開発担当 鈴木健吾先生の講演を拝聴しました。
先生はユーグレナ社の立ち上げメンバーの一人であります。ユーグレナの研究開発についてのお話だけでなく、ビジネスマンとしてのマインドについてのお話も伺うことができて大変得るものが多かったです。
ユーグレナについて
ユーグレナとは微生物の一種で、学校の授業で習った「ミドリムシ」のことです。
ユーグレナは酸素が少ない環境で油を作り出します。その油をバイオ燃料に利用する計画が進んでおり、将来はユーグレナから作られたジェット燃料で飛行機が飛ぶ日も来るそうです。環境にもやさしい夢のあるお話だと思いました。
ユーグレナは栄養のバランスが良く、クロレラや他の藻類と比べ動物性たんぱく質も多く、細胞壁がないので吸収も良いそうです。しかし、当初は食べられることも認知されていないので売れるまでは相当な苦労があったのだとお聞きしました。ミドリムシクッキーの販売、メディア宣伝などで認知度を高める努力をしてきたおかげで、ミドリムシが食べれるものだとみんなに知ってもらえたそうです。
「良いものを作っても、必ず売れるわけではない。良いものを作ることは十分条件だった。」という先生のお言葉が印象的でした。
中身は同じ商品でも、「飲むユーグレナ」と「飲むミドリムシ」と名前を付けて販売した場合では、インパクトがあったせいか「飲むミドリムシ」と名前を付けたほうが良く売れたというお話も興味深いと思いました。
売りたいものがあっても需要がないといけませんし、その需要を掘り起こすためにも宣伝、ネーミングが重要だということでしょう。
また、イスラム圏に対応するためハラールの認証も取得しているそうです。
パラミロンという多糖類を持っているのがユーグレナの特徴です。パラミロンには抗腫瘍や抗酸化作用があることが報告されています。またパラミロンでできたフィルムを貼ることで傷の治りが早くなったという研究もあるそうです。
ビジネスマインドについて
行動指針について
先生の行動指針は「自分のしたいこと」「自分ができること」「周りから必要とされること」の3点で決定されるもであるということでした。過去その時々で3点が一致していないことで悩まれていたそうですが、現在の仕事はその3点すべてが一致してきており、それが仕事の推進力に結びついているとおっしゃられていました。
「勝ち」とは何か
理念を遂行できたものが「勝ち」。そのために揺らがない理念を定めるのが重要だとお話しされていました。
ユーグレナ社の経営理念「人と地球を健康にする」を達成するために、社会の変化に対応し、新しい技術を取り入れ、新しい市場にも参入することが必要だということでした。このように柔軟な発想ができるのがこれから生き残っていく企業なのだと感じました。
鈴木ism
- 合理性が一番偉い
- 代替案が無い否定はしてはならない→やってみないと分からないから
- 主観 vs 主観の場合は上長の意見を優先する
ロジカルシンキングについて
ロジックツリーを用いた問題解決の紹介がありました。ユーグレナの育成や売り上げ、会社の上場のときにも活用できたそうです。今まで読んだ本にも何度か紹介されていたので一度詳しく学んでみたいと思いました。
ランチェスター戦略について
弱者の戦略として差別化が重要であるとのお話でした。
最近読んだ「利益を出すリーダーが必ずやっていること」にも同様のことが書かれており、ビジネスにおける差別化の重要性を再認識しました。
→「生き残るリーダーのスキルとは【利益を出すリーダーが必ずやっていること】」のブログ記事もご覧ください。
ミクロ経済学における比較優位について
自分が持っているヒト・モノ・カネ・情報を足りないところに提供・提案していく重要性についてのお話でした。自分にはどこかで優れている部分もあれば、劣っている部分もあるので、足りない部分の補い合えば良いし、絶対に他の人・会社を馬鹿にしないそうです。そういう謙虚な視点で物事を考えるのが大切だと理解しました。