赤羽雄二『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』
「深く考えること」について学ぶことのできる一冊です。
ビフォー(以前の自分)・この本を読んだきっかけ
筆者は以下のように考えています。
「そもそも大半の人はどうすれば深く考えることができるか分かっていない。」
「普通に会話したり、本を読んだり、ネットを使えたりするような人はみな本来頭がよいが、深く考える具体的な方法がわかっていないので宝の持ち腐れになっている。」
「心を整理して、考えをまとめ、深める方法があったら誰でも別人のように成長でき、仕事もできるようになる。コミュニケーションの悩みも減り、不必要な苦しみから少なからず解放されて生きていくことができる。」
僕も考えがまとまらなかったり、考えがぐるぐる回ってしまうことが多くあります。
これを解決するのが本書で紹介されている「ゼロ秒思考」であり、深く考えるためのメモの方法です。この「ゼロ秒思考」について詳しく知りたいと思いこの本を読みました。
気付き
1つ目の気付きは、過度の躊躇や遠慮から問題・すれ違いが放置され、問題が悪化するということです。僕もそう感じることがあり、なるほどと納得しました。日本人は過剰に空気を読む傾向があるので、過去のコミュニケーションにおける失敗にとらわれ、相手に気を使いすぎて、思ったことを口にすることへのためらいが大きくなっています。思ったことを言葉で表現するのを躊躇すると、イメージを言葉にするための思考が停止して、余計に言葉を使うことが下手になります。
これを解決するには感情やイメージを言葉にするトレーニングが必要です。普段から思ったことを言葉にするための思考を繰り返せば、伝わりやすい文章が書け、相手に悪く思われないような話し方ができます。
本書では「イメージの言語化」の重要性について何度も述べられています。以前読んだ『メモの魔力』でも思考を具体化・言語化の重要性が繰り返し語られており、本書との共通点であると思いました。
「ファクト→抽象化→転用で無限のアイデアを生み出す【メモの魔力】」の記事で紹介しています。
2つ目の気付きは、「できる人は即断即決である」ということです。考える時間の長さとアウトプット量や仕事の成果は比例しません。できる人は高速で成果を生み出しています。できる人とできない人の差がなぜ生まれるのか、本書では2つ理由が記されています。
- 思考の訓練を行っていないから
- 生産性が重要視されていないから
思考の訓練を行わないと、考えがゆっくりになったり、考えがめぐってしまったりします。「ゼロ秒思考」で思考の訓練をすることが素早く成果を出すことにつながります。
日本では、生産性=かけた時間に対する成果の効率があまり重要視されていません。むしろ時間をかけただけ良いものが生まれると考えられる傾向です。こういった考えを捨て、日ごろから自分の時間の使い方が適切か?効率的か?と自問していくことが重要になってきます。
3つ目の気付きは、「ゼロ秒思考」と呼ばれるメモの書き方についてです。人間の持っている原始的・本能的な瞬間的な判断力、思考力を引き出すのがこのメモの方法です。
A4用紙を横向きにおいて、横書き1ページ4~6行。1行20~30文字、1ページ1分以内、1日に10ページ書きます。
内容は自分の感情、コミュニケーション、仕事、勉強、読書、アイデアなど、思ったこと何でも良いです。
詳しい方法を知りたい方は本書を読んでみることをおすすめします。
引用:『ゼロ秒思考』69ページ、93ページ
このようにメモ書きをすることで、自分の頭の中を整理することができます。例えば、何かに悩んでいる場合、悩みを書きだすことで、何に悩んでいるのか、どうして悩んでいるのか具体的に把握することができ、順序立てて解決することができます。
他にも、自分がもやもやした感情を抱えている場合、それを書きだすことで、自分の感情に整理がつき、客観的にとらえることができるので、すべてが解決とまではいかなくても、自分の感情に振り回されるのが少なくなります。
TO DO(すべきこと)
この本を読んでやるべきことはもちろんゼロ秒思考の実践です。僕も早速やってみました。
この本にも書いてあるのですが思っていることをいざ言語化しようとすると意外と難しい。
しかし、1分以内に1枚のメモを書くことに集中すると、思考が研ぎ澄まされていく感覚があります。
それに、続けることでだんだん言葉が出てきやすくなってきます。
これがゼロ秒思考の効果なのだと感じました。やり続ければ考える力が伸びていくと思ったので今後も継続していきたいです。
最後に
考えることの大切さとどうすれば深く考えることができるのかが分かる1冊です。この記事だけだとメモ書きの詳細を伝えることはできないので、ぜひ『ゼロ秒思考』を読んでみて下さい。
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