EPAやDHAなどのオメガ3をとるためにツナ缶をたくさん食べても意味ないかもしれません。
なぜなら、ツナ缶にはオメガ3が少ないし、逆にオメガ6の方が多く含まれるからです。
それでは詳細を見ていきましょう。
マグロはEPAやDHAなどのオメガ3を多く含む
EPAやDHAはオメガ3(n-3)という油に分類され、
体内の炎症にブレーキをかける役割などがあります。
一方、植物油はオメガ6(n-6)という油が多く含まれ、
炎症を加速させる原因になると言われています。
現代の食生活ではオメガ6の摂りすぎ、オメガ3の不足が指摘されています。
マグロを手軽に食べる方法は?
刺身や寿司を食べる方法もありますが、毎日は難しいですよね。
「だったらツナ缶を食べればいいんじゃないか?」と思われる方も多いと思います。
しかし、ツナ缶はEPA・DHAをとるのに適した食べ物とは言えないようです。
市販のツナ缶について、次のような研究結果があります。
水煮と油漬けの比較では,水煮の EPA+DHA 量の約 0.1 g/100 g に対し
て,油漬けは 0.2 〜 0.3 g/100 g と水煮より多かった。しかし,n-6/n-3 は本マグロ,キ
ハダマグロでは 6 〜 7 と推奨値 4 よりも高値であった。油漬けの添加油別での比較は,
魚種をビンナガマグロに揃え比較したが,EPA+DHA 量は 0.2 〜 0.8 g/100 g と綿実
油>オリーブ油>大豆油>紅花油の順で高い値を示したが,全て同魚種ビンナガマグ
ロであるにも関わらず,EPA+DHA 量にバラツキが見られた。出典元:脂質栄養学 26(2): 217 -224 2017 市販ツナ缶は有用なオメガ3系脂肪酸源にはならない
ツナ缶のオメガ3は少ない
この結果を見るとマグロ自体にはEPAやDHAが多いですが、
ツナ缶に加工してしまうとかなり損なわれていると感じます。
マグロの脂には100gあたり4gほどのEPA+DHAが含まれています。
上記の研究だとツナ缶では多いものでも100gあたり0.8gですので、
単純に計算してもマグロそのものの1/5ほどです。
水煮缶だと0.1gなのでさらに少ないです。
ツナ缶にする部分はマグロのなかでも脂が少ない部分だと思われるので、
必ずしも加工によってEPAやDHAが失われてしまうとは言えないのかもしれませんが、
1日に2gほど摂取するのが良いと勧められていますので、やはり絶対量としては少ないのかなと思います。
逆にオメガ6が多くなることも
それにツナ缶を食べても、それが油漬けだと添加されているものが植物油なので、
オメガ6の油をとってしまうことになります。
上記の研究だと本マグロとキハダマグロの油漬けのn-6/n-3は6~7と分かっています。
つまりオメガ6がオメガ3の6~7倍も多く含まれるということです。
推奨されるn-6:n-3は2:1なので、これではいくらツナ缶を食べても意味がありません。
ツナの食べ方にも注意が必要です。
よくマヨネーズをかけて食べたり、サラダに入れてドレッシングをかけて食べたりしますが、
マヨネーズやドレッシングには植物油が含まれることが多いので、かけすぎるとオメガ6の摂りすぎの原因となってしまいます。
まとめ
ツナ缶を食べるなら水煮缶がおすすめです。
しかし摂れる量は少ないので、やはりEPA・DHAの摂取をツナ缶だけに頼ろうと思うのはあまり賢くないかと思います。
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